時効が成立した事件
時効とは
事実状態が一定期間継続し、権利や法律関係がなくなること。
公訴時効とは
刑事手続上の概念で、犯罪が終わった時から、一定期間を過ぎると控訴が出来なくなる制度。
①三億円事件
事件はいつ、どこで起きたのか?
1968年12月10日に東京都府中市で発生した窃盗事件である。
事件はどのようなものか?
現金輸送車に積まれた約3億円が白バイ隊員に変装して擬装白バイに乗った犯人に奪われた事件である。
なぜこのように簡単に奪われてしまったのか?
1968年12月6日に日本信託銀行の店長に「お金を持ってこないと家を爆破する」と言う脅迫状が届いた。
その4日後に、現金輸送車の運転手に犯人が近づき、犯人が「店長の家が爆破された、この車にもダイナマイトが仕掛けられている連絡が入ったので調べさせてくれ」といい車の周りを調べ始めた。
隙を見て、犯人は発煙筒に点火し「爆発するぞ!」と叫び運転手を避難させた後、輸送車ごと逃走した。
どれくらい捜査にかかったのか
容疑者リストに乗った人数は11万人、捜査した警察官は17万人、費用は7年間で9億円以上かけたが、1975年12月10日、公訴時効が成立。1988年12月10日、民事時効成立。日本犯罪史に名前を残す未解決事件となった。
②井の頭公園ばらばら殺人事
事件はどうして発覚したのか?
事件は1994年4月23日午前に、東京都の井の頭公園のゴミ箱のポリ袋に人間の明日が捨てられているのを清掃員が発見した。
事件はどのようなものか?
警察官が公園一帯を捜索したところ、27個に切断された手足と胴体の一部が7箇所のゴミ箱に捨てられていることがわかった。
手足の指紋はほぼ全て削られていたが、わずかに残った指紋とDNAから、公園付近の一級建築士の男性(当時35歳)と判明した。
なぜ時効が成立してしまったのか?
被害者の交友関係からは犯人像が浮かばず、犯人への手掛かりが乏しく、2009年4月23日に公訴時効成立を迎えた。
③札幌信金OL殺人事件
事件はいつ起きたのか?
1990年12月19日、札幌市で札幌信用金庫の職員の24歳女性が行方不明
3日後の12月22日に自宅近くで刺殺体で発見された。
事件はどのようなものか?
被害者女性の高校の2年後輩で現場付近に住んでいた無職のNを警察は殺人容疑で指名手配した。
事件の決め手となったのはNの自宅に「捕まらないため逃げる」と言う内容のメモが発見されたからである。
その後どうなったのか
2005年12月に公訴時効が成立し、その後遺族はNに対して損害賠償を求める民事裁判を起こしたが、Nの所在はわからないままである。
編集後記
自分はこのような事件での被害者、遺族ではありませんが、遺族の気持ちを思うととてもやるせない気持ちになります。今一度、法律をちゃんと見直して臨機応変に対応できたら良いなと自分は感じました。