人類がまだ登頂できていない山~未踏峰、処女峰
未踏峰(みとうほう、unclimbed mountain)とは、これまでに人類が登頂したことのない山のことである。未登峰とも表記し、処女峰(しょじょほう、virgin peak)と呼ばれることもある。
今でも未踏峰であり続けている理由は様々である。地理的に孤立しているため、または政治的に不安定で立ち入りが困難なために山に到達できない場合や、宗教上の理由で立ち入りが禁止されている場合などである。また、高峰に登ることは世間の注目を集め、一旦登頂されても他のルートの開拓や、冬季などのより厳しい条件での登頂など、何度も挑戦されるのに対し、低い山は、たとえ登頂が困難であっても、あまり注目を集めないために放置されるということもある。
- 梅里雪山(6740m)
この山は中国雲南省デチェン・チベット族自治州に位置する13連山の総称のことである。また雲南省の三江併流と呼ばれる地域は世界遺産に登録されている。チベット仏教の聖地である。
- キュンガリ(6599m)
ネパールと中国(チベット自治区)との国境に位置する山で、ヒマラヤ山脈に含まれています。現地の人でもその存在を知らない程の道の山です。地図にもキュンガリが掲載されていないこともある、珍しい山です。日本人の辻秀信さんが登頂に挑戦したそうですが失敗に終わったそうです。 - ガンカープンスム(7570m)
ブータンに位置する国内最高峰の山であり、同時に人類が登頂していない山の中で最高位を誇る。1983年、1984年に遠征隊が登頂を試みるも失敗に終わる。1994年からブータン国内で6000㎡以上の山への登山は宗教信仰に反するとして禁止され2003年からは登山は完全に禁止となった。
- カイラス山(6656m)
中国チベット自治区プラン県に位置している山である。チベット仏教を含む4つの宗教で聖地とされ、登山は禁止である。ただし聖者ミラレパ(1040年諸説あり)が山頂に達したという伝説が残されている。 - ガンスカール(6045m)
インドの北西部に位置しており、ザンスカールは現地の言葉で「白い銅」という意味を持ちます。ザンスカール高地は、ヒマラヤ山脈の北にある高地の半砂漠地帯に位置するため、夏場は乾燥して快適な気候となり主な仕事は牛の飼育と、耕作である。また冬場の降雪が激しく、過去に日本人部隊が登頂に挑戦したが、雪面のコンディションが予想以上に悪かったため、300mを残して撤退という結果となった。 - マチャプチャレ(6933m)
ネパール中北部に位置している山である。この山は、特に神聖な山として地元住民によって崇敬されており、ネパール政府により登山が禁止されている。アルプス山脈の名峰マッターホルンに似ていることから、ネパールのマッターホルンと呼ばれている。イギリス人のJ・ロバーツが1957年、山頂直下50mまで登ったが登頂しなかったそうだ。マチャプチャレが古くから聖山として崇めらていたためと言われている。